2020/04/03
マルチプルインテリジェンスという考え方があるのをご存知でしょうか?
ボクも最近知ったのですが、子どもの個性や能力を8つのタイプに分けて捉えるという方法です。
83年にハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱した人間の潜在的な能力を知るための理論です。
欧米では、この理論に基づいて学校教育が実践されるケースが増えているそうです。その8つのタイプとは
言語的知能:言語が得意
数学的・論理的知能:数字・論理が得意
空間的・視覚的知能:絵・造形が得意
身体的・運動的知能:運動が得意
リズム・音楽的知能:音楽が得意
対人関係の知能:人づき合いが得意
内観の知能:自分を見つめるのが得意
自然・環境の知能:動植物と付き合うのが得意
子どもの多様性を知る
子ども自身や保護者・教育者が、子どもたちの得意分野を知っていれば、その才能を伸ばすことができます。
しかし、現在の日本の学校教育では、言語的知能と数学的・論理的知能が優先されています。
たまたま言語・数学的知能に恵まれていれば学校の成績は良く頭のいい子と言われるでしょう。
一方、それ以外の分野に恵まれている子どもは、学校生活においては自己肯定感を低下させ、劣等感を持つ可能性が高くなります。このマルチプルインテリジェンスの考え方で最も肝となるのは、どんな人にも得意不得意(多様性)があるということを知ることと、特定の分野での優劣に意味は無いことに気づくことだと、勝手に解釈しています。
いつも言っている自己肯定感を高めるのにとても有効な考え方なのです。
がんばらなくてもいい、という非常識なことを何度もお伝えしていますが、このマルチプルインテリジェンスの理論を利用すると、わかりやすくなります。
得意なことをどんどんやって苦手なことをがんばらない
誰にでも、得意な分野、苦手な分野、また好きな分野、嫌いな分野があると思います。
特に得意な分野と苦手な分野の差が激しいタイプの人が、人口の半分くらいいるようです。
残りの半分は、どの分野も平均的にできるタイプです。どちらにしろ好きな分野や得意な分野は、がんばってやっているわけではなく、楽しくてやっている、好きだからやっている場合がほとんどのはずです。
そういう分野の能力は、放っておいてもドンドン伸びていきます。
一方、苦手な分野や嫌いな分野は、どんなにがんばっても、なかなか思うように伸びないし、やればやるほどエネルギーを消耗していきます。困ったことに、このエネルギーの消耗は、好きな分野に向けるエネルギーも奪ってしまうので、好きで得意な分野のことまで、伸びなくなってしまいます。
つまり、好きなこと、得意なことをトコトンやって、苦手なこと、嫌いなことはできるだけがんばらないようにすると、その人のエネルギーがドンドン高まっていきます。
不思議なことに、そういう状態になると、苦手だったことが少しできるようになったり、自然と手助けしてくれる人が現れたりするのです。
ただ、実際問題として、学校の成績が悪いとか、日常生活で人並みのことができないと、とても心配になると思います。日常生活を送るうえで身につけておいたほうが良い能力等は、訓練することで少しずつできるようになりますが、できるだけ最小限にしましょう。
苦手な分野ができないことを問題にしてしまうのは、その分野へのこだわりを強く持つ大人の考え方が問題を作っているだけだ、ということに気づいてほしいと思っています。