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統合医療やまのうち小児科・内科

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パートナーに対して感じるストレスについて
夫婦間やカップル(親しい友人関係も含みます)で受けるストレスは様々ありますが、最近数例同じような悩みを持った方を診察しました。

  強いストレスを溜めていると感じ「抑肝散加陳皮半夏」が合う患者さんでした。抑肝散加陳皮半夏は「らくなちゅらる通信vol.54」で紹介しましたが、グッとイライラを我慢しているときに服用する漢方薬です。そのストレスの原因は身近な人とのコミュニケーションが上手くいっておらず、「言っても聞いてくれない」「言うべき相手が近くに居ない」「言うと相手がキレて、怖くて言えない」「認知症などで言いたいけど言葉が出ない」「認知症の介護をしていて言葉が通じない」など、何らかの事情があって、こちらの意見が相手に伝わらないことが元になってストレスを感じるようです。

 その方のお話を聞いていると、ストレスの原因はご主人にあるらしく、問題だと思っていることを言っても聞いてくれない、何度注意しても治らない、言うとキレて倍になって返ってくる、ということでした。こういうケースは皆さんも多かれ少なかれ経験することだと思います。おそらくご主人はその問題を問題だと思っていない、問題だと気づかない、もっというと問題が「見えない状態」になっているのではないかと推察します。逆に女性は細かいところによく気がつくことが多く、その問題を大きく捉えているように感じました。なぜこういうことが起きるのでしょうか ?

 今回の心の問題を簡単に模式的に表すとAがご主人、Bがこの女性になります。Aさんの心は一部が欠けている状態、Bさんの心は一部が飛び出している状態です。Aさんは幼い頃に何かしらの出来事があり、心に傷を受けてその問題に関わることをできるだけ遠ざけ、避けつづけてきた結果、そこに問題があることさえ分からなくなってしまいます。その問題に関して、普段は無反応であり、直接その部分を刺激された時には、非常に気分が悪く、居心地が悪くなり、強く刺激されるとキレてしまうという反応を起こします。一方Bさんは幼い頃に何かしらの出来事があり、周囲のサポートや自分の努力・改善によってその問題を克服してきた結果、その問題に対し、積極的に関わって解決しようとする傾向ができます。 

 この2人が一緒にいると、BさんはAさんの欠けた部分がよく見えて、そこは問題なのだから、はやく改善すればいいのに!!と思い注意しますが、Aさんにとっては、触れられたくないことなので指摘されればされるほど、問題を見つめることをかたくなに拒否します。

 Aさんが問題点を気にする程度が強くなると、Bさんの心の傷も、その程度に合わせるように硬くなってしまうようです。
 若いご夫婦やカップルでお互いに向上心があれば、徹底的に問題点を掘り出して、お互いが愛情を持って対処するようになるまでぶつかることで、人間の幅が広がっていくのですが、ご年配の方の場合、積み重ねてきた年月も重く、双方の理解を得ることも難しいことが多いです。そのため相談に来られた方の心が、でこぼこした状態から丸くなっていくことを目指すことになります。続く。 

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