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統合医療やまのうち小児科・内科

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思考に気づく
今回は、以前瞑想中に見た、あるイメージについてお話ししたいと思います。

 その時、私は風邪をひいていて、なかなか眠れず、ちょうどよい機会だと考えて、想念観察という瞑想を行なっていました。想念観察とは、思考や感情を第三者的な視点で、ずっと観察するという瞑想の方法です。どんな思考や感情が湧いてきても、「~という思考が流れた」「~な感情が流れた」というふうに、思考や感情を1つ1つ徹底的に観察して、湧いてきた思考を流してしまって、感情に巻き込まれないようにします。ずっとそれを続けていると、頭の中がシーンとして思考や感情が出てこない状態になります。

 半分夢うつつの状態だったのですが、その時に見たイメージが、暗い空間に浮かぶ暖かく輝く光(エネルギー)の玉でした。この光は、純粋・無垢で愛にあふれていて、安心感、幸福感のかたまりのような、なんとも言えない素晴らしい光でした。なんの心配もなく、不安感もなく、不足感もない大きな安心感に包まれているような感覚です。般若心経の「是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減」(すべての現象(一切法)は空を特徴とするものであるから、生じることなく、滅することなく、汚れることなく、汚れがなくなることなく、増えることなく、減ることもない)という一節を思い出しました。すぐに、これは人の「魂」だと気付きました。自分自身の魂なのだろうと感じましたが、おそらくすべての人が同じ物を持っていて、すべての人が素晴らしい存在なのだと気付きました。同時に、なぜ皆が幸せだと感じられないのかも理解できました。

 ほとんどの人は、思考がずっと止まることなく、頭の中に存在するので、本来みんな幸せであるはずなのに、思考がマイナスの感情を引き起こし、かげりとなって光り輝く魂を曇らせてしまうのです。普段、皆さんは思考そのものが自分自身であると錯覚しています。また、思考は「自分で」考えたいことを考えていると思っていますが、実はほとんど自分ではコントロールできていません、その証拠になにか気になる問題を考えだした時、思考を止めようと思ってもなかなか止まりませんし、普段何気なく過ごしている時も、考えようと思っていなくても、頭の中は思考が止まっていることはまずありません。その事について無意識なので、考えているということにも気付いていないことが多いのです。患者さんに対して、いかに思考が頭を占拠しているか気付いてもらうためにお話ししているのは、「ため息」に気付いてもらうことです。思考が頭の中をぐるぐる回っている時は、ほとんどの場合、呼吸が浅くなっていたり、一時的に呼吸を止めていることがあります。そこで体は「ため息」をついて酸素不足を解消しようとします。つまり「ため息」をついたとき、その直前には頭の中で、なにか思考がぐるぐる回っていたはずなのです。「ため息」が多い人は、思考の多さに驚くかもしれません。でも、思考に気付くことが、思考の無限連鎖から抜け出す第一歩なのです。

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